ヘッジファンドは利益を確保

ヘッジファンドとは、トータルで損が出ないようなヘッジをかける準備取引をして常に利益を確保できるような資産運用を目指す投資会社(ファンド)のことです。例えば、どこからか株を借りてきて、高いうちに売って株が値下がりしたところで安く買い戻して、もとの持ち主に返せば(空売り) その差額が儲けになります。
うまく使いこなせば上がっても下がってもトータルではプラスマイナスゼロということも可能ですが、失敗すると上がっても下がっても損もありえるので充分な知識が必要です。ヘッジファンド自体はどんな金融状況の環境であっても利益を出すことを目的に投資をお集めていて、そのための投資方法が考えられています。

ヘッジファンドができるまで

ヘッジファンドの歴史はとてもシンプルです。米国およびヨーロッパで誕生したヘッジファンドはもともとの個人の資産運用が目的でしたが、やがて業界内の預かり資産の拡大とともに、富裕層の資産管理に貢献する結果となりました。ほとんどのヘッジファンドの投資家は高い社会的地位をもった高所得者でした。業界の秘匿性や、預託資産の一定水準が高かったことから当初は、非常に限られたリスク水準における資産保全が主体でした。ヘッジファンドはその後、積極的に運用しょうとする担当者が現れることにより、保全より資産の利益率向上に重点をおくように変化していきます。運用担当者はより大きな責任をもつことにより、市場が上昇しているときも下落しているときも運用成績を維持するようになったのです。運用手法が向上するとともに、より高い水準のリスクが対象となり、高リスクは高い収益率を可能にするし、そのための投資手法はさらに専門性を向上させていきます。そしてヘッジファンドの誕生へとつながっていくのです。

ヘッジファンドの問題点など

現時点におけるヘッジファンド投資の最大の課題は、超過需要の問題です。今後も機関投資家による年金基金や生保等の運用対象として、ヘッジファンド市場の拡大が予想される中で常に優良なファンドが十分に提供できるのかと懸念する声もあります。
特に市場中立型ファンドでは、割高な証券を売って割安な証券を買うことにより絶対収益を確保しようとしますが、あまりにも多くの資金が中立ファンドに投入されると、戦略そのものの有効性が薄れるのではないかと懸念されてもいます。とくに情報開示が不十分なFOFにおいて、運用資金量が増加することによって投資家が考えてもいないような高リスクのファンドへ投資せざるをえないというリスク要因も高まっています。
また、ヘッジファンド投資においては、キーパーソンが事故にあったり退職するという人的リスクを始め、定性的リスクのウエイトも大きいといわれます。ヘッジファンド投資は、十分にリスク管理を行い節度をもって投資を行うことが要請されるというわけです。

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